日本企業のベトナム進出が増え続けている理由はなんでしょうか。

周辺諸国の変化

まず挙げられるのは周辺の諸国の変化です。特に中国の事情が影響をしています。
中国は経済の成長が進み、人件費が上昇しています。

そのため中国の工場で生産をしても、以前ほどの利益を上げられなくなってきています。
それと同時に、中国の反日の動きや撤退時に本国に送金ができないなどの問題が発生しており
中国を避ける動きも顕在化しています。
最近は米国との貿易戦争に絡み、中国の生産拠点を移動させておこうとの動きも現れています。

次にベトナム投資環境が良好なこと

その中でもベトナムの人材に関する優位性が勝っていることがあげられます。

日本が人口減少する中で、ベトナムの人口は急増しています。
1950年には日本はベトナムの3倍の人口を誇っていましたが
2040年以降はベトナムの方が人口が多くなる予測がされています。

今のベトナムでは現役の働き手が圧倒的に多いことを示しています。
それと同時に人件費が圧倒的に安いことがあげられます。

多くの工場労働者が最低賃金よりもほんの少し多いくらいの月給で働いているのです。
日本の9分の一程度でしょうか。
ただ、給料の上がらない日本に比べベトナムは7~10%程度は毎年給料が上がっていますので
差は着実に縮まってはいます。

もう一つの要因は優遇税制などの社会的なインフラが有利であること

代表的な例として、製造業では工場はベトナムにあるにもかかわらず
そこと特別な特区(あるいは企業)として、関税を発生させない措置があります。
EPE(輸出加工企業)、EPZ(輸出加工特区)という制度があります。

また、特別に誘致したい産業には4年間の法人税が免税
次の9年間(5年から13年まで)50%の減税、次の2年間(14,15年)10%の減税の措置が取られます。

ベトナムではハイテク型の産業やIT企業などにこのような特例措置が取られています。
特にベトナムが貿易黒字になっていますが、それに貢献しているのはスマートフォンの製造です。

サムソンなどがベトナムで大型工場を持っていますが
ベトナムの優遇税制により韓国から工場を移したものです。
今後部品産業などの裾野産業を伸ばすために新たな優遇措置も検討されています。

安い人件費と優遇税制があり、技術力がほかの国とそれほど変わらないと言うことであれば
どこで生産すればより利益を上げられるかを検討するのが企業です。
必然的にベトナムで生産をすることが選ばれています。

それ以外に日本企業がベトナムを選ぶ理由は、親日的であること

日本語を勉強している人が多いこと、仏教国で文化的な共通性があること
治安が良く安心して生活できることなどがあります。

総合的に判断をした結果
海外進出先としてはベトナムが選ばれることが多くなっているようです。

記事投稿 西田

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム
この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。