2019年7月末にベトナム統計総局が発表した2018年男女出生比(女児に100人に対する男児の数)が
115.1であったと発表されました。

自然の男女の出生比は105と言われています。
男児の方が多いのは、若干男児の死亡率が高い傾向があるからと言われています。

ただベトナムの男女比は著しく男児が高い傾向があります。
貧困層は105に近い数値にもかかわらず、富裕層が男児の割合が高いと報じています。

その統計を発表したトゥー総局長によると、このような傾向は性別に対する偏見、先入観、因習を背景に
科学技術の発展で男女の産み分けができるようになったこともこのような状況の悪化に拍車をかけていると言っています。
状況の悪化ととらえていることは、よくない傾向とのベトナム政府も判断をしているからでしょう。

日本でもそうですが、少子化の最大の要因は未婚率の増加だと言えます。
日本の未婚率の増加は、非正規社員の増加による安定した生活ができない層の拡大が一つの要因だと見られています。

以前ような終身雇用が守られている職場では、安心して子供を育てることができますが
非正規社員の場合、将来設計が安定しないため、日々の暮らしの大変さから結婚する余裕がない人も増えています。

ところで、少子化問題で使用される指標として合計特殊出生率があります。
これは女性が一生の間に産む子供の平均数です。

人口を維持できる数値である合計特殊出生率は2.07となり、それを下回ると人口減少になると試算されています。
この合計特殊出生率には未婚の女性も含まれるため、女性の未婚率が増えれば当然数字は下がってしまいます。

日本では結婚したいと思っているのに、経済的な問題で結婚できない人を支援する方策を整えることが
必要になっているでしょう。

一方、ベトナムで男児の割合が増えることが女性の未婚化にはつながりません。
しかし、本来男女比が自然の秩序に守られていないことは、人口減の要因になっていると思います。

男性が結婚できないケースが増えると、女性にも一定数そのような結婚しない傾向が出てくる可能性もあります。
すでにここ20年近く少子化の傾向が始まっているベトナムでは、ますます少子化が進む要因が拡大しています。

記事投稿 西田

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム、この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
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