コロナ新型ウイルスの影響の中、中国での生産活動が停止されることで
世界のサプライチェーンには重大な影響を及ぼすことが想定されます。

武漢は1000万人を超える大都市で、自動車部品を製造している会社
半導体などIT分野の製造も多いようです。

そんな重要な都市が機能しなくなると、あちこちに影響が拡大していきます。
中国では韓国企業の現代自動車やフォルクスワーゲンなどドイツ系の
自動車メーカーが製造をしており、影響が出始めているようです。

オリンピックを控えた日本でも中国人などの観光によって収益を上げている
自治体や企業が増えている中で水を差すような事態になっています。

韓国は国を代表する企業の多くが中国から部品供給を受けていたり
中国への輸出によって経済が成り立っている国なので
今回の影響は大きいと考えられます。

また、ヨーロッパの優等生ドイツも中国との取引の割合が高い国です。
中国経済の減速はドイツ経済にも影響を及ぼすでしょう。

中国は1月15日の米中貿易交渉で通商合意をしていますが
今後2年間で米国から2000億ドル(約22兆円)のモノやサービスを購入する約束をしました。
それが実現しないとなると、アメリカはどう出てくるのでしょうか?
アジアを蔑視する傾向のある国ですから、アメリカが主導権を握るために
より厳しいことを言ってくる可能性があります。
そのようにあらゆる面で世界経済の先行きに影を投げかけることになると思います。

中国の生産活動の鈍化が想定される中で、中国との関係が大きい企業の業績が下振れし
雇用や所得に悪影響をもたらせば、安定した個人消費に支えられていたアメリカの
景気などにも影響を与えることも考えられます。
そこまで影響が拡大すれば世界は連鎖的に不況に陥ることになります。

ベトナムをはじめ東南アジアの新興国の成長も中国への輸出によって成り立っています。
中国への輸出が減少すれば、それらの周辺国も悪影響は広まることが考えられます。

中国人の行き来が止まっている中で、ベトナムでは航空機業界やホテルなども閑散と
しています。
当然そのような分野の収益は激減します。雇用と所得への悪影響が連鎖的に拡大するこ
とはあり得ると考えておく必要があるでしょう。

最近日本の事業者からの問い合わせが増えています。
中国での生産が止まってしまっているために、緊急にベトナムで生産ができないか
との問い合わせです。

東京オリンピックで使う資材の生産が中国で止まってしまい
緊急にほかの国で生産できないかという相談もあります。

今までにない事態に各国、各企業は様々な対応を図り始めています。
この新型コロナウィルス騒動はどこまで世界に影響を与えるのかかなり深刻な事態で
あると思わざるを得ません。

記事投稿 西田

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム
この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。