新型コロナウィルスでもそうですが
体力がない高齢者や病気を持った人たちが多くの犠牲者を出しています。

それと同様に中国では体力のない中小企業が倒産をしていくことになるだろうと思います。
社員の給料やオフィスの家賃を払い続けていくことができなくなれば
倒産せざるを得ないでしょう。
また、給料をもらえない社員は、職を失い、購買力も低下することでしょう。

2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)の時は
大きく落ちた成長率がその年の後半はV字回復したらしいですが
今回はどうなるでしょうか?

その当時は中国は2001年末のWTO加盟、2008年のオリンピック誘致の影響を受けて
高度経済成長にまっしぐらに進んでいた時期だと言うことですので
成長の勢いがSARS騒動をかき消したのです。

ところが昨年は米中貿易摩擦が発生し
中国の工場移転が東南アジアに広がったこともありました。

それと同時に産業構造が大きく変わっていることも急なV字回復は難しいのではと
思われる要因です。
第三次産業は、第一次、第二次の余剰利益を吸収する形で成長できる産業です。
以下2003年当時は以下のような雇用労働者産業別割合だったようです。

中国雇用労働者
産業別割合
第一次産業第二次産業第三次産業
2003年3.1%57.9%39.0%
2019年3.8%36.8%59.4%

第二次産業は製造業であり
工場が稼働できればV字回復は可能になるかもしれません。

しかし、第三次産業の場合は、旅行、観光、運輸、小売りなど人々の移動などに
関連したビジネスになります。

観光などを例にとれば、中国、特に武漢を訪れる人は急激に減ることが考えられます。
また、映画館などほとんど行く人もなくなるでしょう。
たくさんの人が集まる娯楽、飲食、ホテルなどそれらの事業に携わっている企業や
人の損失は計り知れません。

唯一経済規模が拡大するのはマスク製造や医薬品製造業者だけでしょう。
それらの急激に顧客を失う企業が倒産すれば
社員にも影響が拡大し、経済は大きく落ち込むことになるだろうと思います。

ちなみに日本の雇用労働者産業別割合は2018年の帝国書院の資料によれば
第一次産業3.4%、第二次産業23.9%、第三次産業72.7%となっています。

第三次産業従事者が圧倒的に増えていることから
世界経済が景気低迷することの影響は、日本においても同様に大きいと考えられます。 

記事投稿 西田

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム
この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。