国民にとっては税金が少ないことはいいことだと思うでしょう。
現実に日本でも大企業の本社がある地方都市などは地方税が少ない割に公共事業などが
多い街があります。

代表的なのが豊田市です。稼ぎ頭がいるところは問題がないですが、いなくても税金が
安いところは、公共事業や社会福祉があまり進みません。

ちなみにハノイやホーチミンで地下鉄や都市鉄道の建設が進んでいます。
ハノイは中国のODAで、ホーチミンは日本のODAで予算がついていますが、それだけでは
足りなくなり建設計画は大幅に遅れ始めています。

また、2021年からの公務員給与の改定を審議していますが
最低額が414万VND(日本円で2万円)、最高額が2670万VND(日本円で13万円)程度です。
国立機関で働く公務員、教師、医師などもその程度の給与水準ですので、賄賂を求める
行為が後を絶ちません。
先進国の上場企業は、当然賄賂を払うことは犯罪ですのでそのような要求には答える
わけがありません。
そのため優良企業との取引が減っていくと言う悪循環になります。

一方庶民も富裕層が税金を払ってないことを知っているので、自分たちも払わないような
努力をします。
税金を支払うことが国民の義務であることを体感している日本人とは違うようです。
その悪循環でますます国の歳入が減っていきます。
税金を払うことが国民の義務だという意識を生むことがいかに大切かを感じます。
税収が少ない政府は、収入少なくなると急に輸入品の通関が厳しくなったり
外資企業に税務調査をすることが多くなり、外資企業から追徴課税を徴収すること
などが頻繁に行われることもあります。

東南アジア全体で似たような状況だとは聞きますが、国民から税を徴収する仕組みが
機能していないと国の発展は次の理由で阻害されます。
その理由としては第一に自由競争が機能しなくなることです。
先進国には賄賂を悪として規制する法律があります。
賄賂が横行すると賄賂を出した方が優遇され、価格や技術力による競争が排除されます。
それによって自由競争による経営改善や技術革新が進まなくなります。
自由競争が守られることは技術革新する社会、進歩する社会を守るということです。

第二に国として重要な社会インフラにお金をかけられなくなります。
道路、電力など社会インフラの整備ができないと産業育成に影響が出ます。
その中で最も重要なのは教育だろうと思います。
国を発展させるのはそこに住む人々です。
その教育の充実が国を発展させる原動力です。

税徴収が機能していないことは、国も成長を阻害する要因となります。
明治維新の日本が急成長できたのも明治政府の税を徴収する権力が大きかったことが
急成長できた理由です。

記事投稿 西田

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム
この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。