土地はベトナム人民の財産

ベトナムでは土地は国有です。「土地はベトナム人民の財産」という概念で
国家の所有です。
国家はその使用権を個人や団体に与えています。

ベトナムでは不動産の使用権を持つ人と建物の所有権を持つ人が異なることもあります。
ただこのような考えは、社会主義だからというわけではなく、昔の日本では土地は
天皇のものである、あるいは土地は封建領主のものであると考えるのが一般的でした。

農民はその土地を与えられて年貢という名目の税金を支払っていました。
それまでは田畑は永代売買の禁止をうたっており、他人に土地を売買することもありませんでした。
しかし地券を発行した後は、その売買が行われ資本主義的な取引が行われるようになりました。

日本の土地は金融財産

その大きな変化を生んだのが明治政府が行った「地租改正」です。
明治政府は土地の私有を認めることとセットで、地租という税を取るようになりました。
土地所有者には地券を発行し、地主階級には一定の政治権力を与えるようになりました。
そのことが今日、土地が金融資産になるきっかけを与えました。

従来は土地は生産物を作る場所、あるいは住む・生活する場所のことを指していましたが
徐々に金融資産としての意味を持つようになりました。

変わる土地の価値観

土地(不動産)の売買で大きな利益を得るという極めて資本主義的な取引が
名目社会主義国のベトナムで盛んにおこなわれるようになっていることは皮肉に思います。

逆に日本やヨーロッパの地方都市は、土地は生活したり住むためのものであり
愛着のある空間として認知されているように思います。

ヨーロッパの住まいは、100年たっても住むことができるような石を積み上げた住居も多くあります。
日本は木造ですから、30年もすれば建て替えが必要になるかもしれません。
その点では土地の方が大事と考えられると思います。

建物価値と土地の価値

しかし、ヨーロッパでは建物の方が大切と考える人は多いようです。
建物は生活と密着しています。ヨーロッパ人は観光地でも古い建物の方により強い関心を持っているように感じます。

少子化が進む日本のことを考えると、将来は不動産が金融財産となった今の経済から
不動産は生活の場、生きていく空間に代わっていくのではないかと思います。

人にとってはその方が幸せではないかと感じています。
不動産を持てば金持ちになって幸せになれると考えるベトナムの人たちはたくさんいます。
その喧騒を目の当たりにして、日本の田舎を離れずに生活している人を比べると
どちらが幸せなのかを考えてしまいます。

仕事をする場所、生活する場所が自分の人生を作っていきます。
不労所得で楽な生活をするよりは、多少波乱万丈であっても実業を持ちながら生きていく方が
楽しいのではとも思います。
土地の価格は単にその時の政治や経済の事情で変わるだけにすぎません。

イクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム
この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。