
日本及びアセアンの国々は近隣の大国中国の事情によって大きな影響を受けています。
中国ははいかにして世界第二位の経済大国になり、今後高齢化の中でどんな方向に進んでいくのかを簡単にお伝えします。
中国の経済成長は1978年に始まった「改革開放」政策によるところが大きいです。
その当時の最高指導者の鄧小平が、文化大革命の混乱から中国経済を立て直すためにとった政策です。経済特区の新設、人民公社の廃止などとともに、経済の市場経済化を推進しました。
その政策が中国の経済発展のきっかけを作ったといえるでしょう。
人口増の成長時代の中国
ただこの時期は、中国の生産年齢人口が急増していく時期でした。
その増加は2013年まで続き、生産年齢人口は10億人を超えることになりました。
当然世界最大の生産年齢人口の数です。
労働賃金も安かった生産人口でしたので、中国のメーカーは他国のメーカーに比べて価格競争面で優位になり、世界のサプライ・チェーンと結びついて急激に成長しました。
その成長の要因になったのは、不確かな将来を見据えて積極的に貯蓄した若い生産年齢人口です。国家と企業の結びつきが強い中国では、この貯蓄を活用して企業への投資と結びつき、次世代の産業の形成に活用されていきました。
中国企業は1990年以降急速に力をつけていきました。
ファーウェイなどはその代表格です。
それは改革開放の時期と生産年齢人口が増加していく時期が一致していた幸運によるとも言えます。
人口減を始めた中国
ところが2013年以降15~64歳までの生産年齢人口は減り始めています。
老齢人口の増加と同時に貯蓄率も低下を続けています。
それが急速に進みつつあるのが中国です。今まで人口が多く、若い世代が多かった中国では、貯蓄率の高さが、国家資本主義ともいえる企業投資で企業を成長させてきました。
その回転が逆回転するようになってきています。
中国経済が低迷する要因は、アメリカとの貿易摩擦以外に生産年齢人口の減少にも因るのです。
中国政府は2016年長年続けてきた「一人っ子政策」を撤廃しましたが、期待された出生率の急増は実現できていません。
ベトナム同様、経済の発展を始めた国は、少子化の流れは止められないようです。
今後の世界経済においては、中国の人口問題は無関心ではいられません。

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)
代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム、この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。