少子化が進む社会現象

人口減少の要因は少子化が進む社会現象にあります。
私が考える少子化のキーワードは核家族化です。

ではなぜ核家族化になるのでしょうか?ベトナムの現状からそのメカニズムを検討してみます。
かつて日本でも同じことが起こっていたものと思われます。
そして世界の新興国もきっと同じような道を進むことでしょう。

経済成長要因

少子化は経済成長が始まった国で起こり始めると私は考えています。
いろいろな要因で経済成長が始まります。

ベトナムは社会主義経済から市場経済に移行したこと、また、WTO(世界貿易機関)に加盟し
世界標準の経済政策をとることを世界に宣言したことから、外国投資が集まるようになりました。

外国投資はインフラの整っている場所、人口の多い場所、駐在員が生活しやすい場所に限られます。
ベトナムではハノイとホーチミン市、そしてその近郊に限られました。

この両都市には外国企業が多く進出をし、比較的高額の給料を支払います。
そのため若い多くの人たちが地方から大都市に流入するようになります。

産業の変化

それまでの経済は、田舎で農業を行い、自給自足に近い生活を行っていました。
あまり給料はなくても食うことには困りませんでした。
農業の場合、人手が多い方がいいので子供もたくさん産む傾向がありました。

子育ても大家族であれば、誰かが面倒を見ることができます。
そのため比較的たくさんの子供を産める環境がありました。

ところが若い人が都市に行くようになると、やがて都市で生活する者同士で結婚します。
都市で自給自足はできませんから、生活するためには生活物資を購入するしかありません。

そのため結婚しても共稼ぎで家計を支えます。育児も自分たちで行うしかありません。
場合によってはホームヘルパーを雇って、育児や家事をお願いするケースもありますが
お金をかける必要があります。

子供が成長すると都市の労働者は、子供に勉強をさせて都市の給料が高い人気企業に
就職できるようにしようと考えます。
親は教育費にもお金をかける傾向になることから、より少子化に拍車がかかります。

この傾向は経済成長が始まったどの新興国にも共通する傾向です。
新興国の中心都市はメガシティに成長しています。

メガシティが誕生する国は、きっとこのような傾向をもたらし、少子化社会に向かっていると言えるでしょう。

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム、この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。