「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者
必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ。 」

みなさんご存知の通り、平家物語の冒頭部分です。繁栄した者は必ず滅びる。
一時期の繁栄は長くは続かない。
今強い者のいつまでも強いわけではない、との意味を言っているのだろうと思います。

新大陸だったアメリカが今の国際社会を仕切っています。
中国は昔の繁栄を取り戻そうと「一帯一路政策」を推進しています。

かつてはアジア、アフリカ、アメリカを植民地支配したヨーロッパが、移民の
排斥など自国主義に入り込もうとしています。
今の国際社会の構図も10年後どう変わるか想像もつきません。

私が思うのは、貧しいことがチャンスを生み、豊かさがピンチを生むということです。
高度成長期の日本は、まだ貧しいがゆえに将来のためにみんなががんばりました。

ところがその後、貧しかった中国や東南アジアが伸びてきました。
私は伸びゆく国ベトナムで仕事をしていますが、ベトナムの衰退の芽が生まれ
始めていることを感じます。

それは国民が給料がどんどん上がるのが当たり前と思っていることに表れています。
能力以上に給料の伸びを主張する傾向が表れています。

また、不動産神話は根強く、少し豊かになった人は不動産を持つことでお金持ち
になれると信じています。
お金を手にした人たちは、不労所得で生活しようとしています。

翻って日本の高齢社会のもとでは、人と助け合って生きていくしか方法がないか
もしれません。
家族も核家族から大家族に向かうかもしれません。

資産などみんなで使える物をシェアしたり、仕事もシェアをすることが必要にな
ってくるかもしれません。
人類誕生の最新の研究成果を紐解くと、誕生にはアフリカの大地の地殻変動が
影響しているようです。

ジャングルだったアフリカの地で大規模な地殻変動がありました。
キリマンジャロやケニア山があるあたりです。
雨が降らなくなった東側はジャングルが消え、草原になりました。

そこに残されたサルは、猛獣から身を守り食物を得るには、仲間とコミュニケー
ションを持つことが重要だったのです。
そのおかげで脳が発達して、言語の能力を身に着けることになりました。

それが今の人類に進化していったのです。
他の人と協力する以外に生きることができない状況は、もしかしたら人間らし
く生きることができる環境なのかもしれません。

その点で超高齢社会の日本は、人間として生活する基本的な力を再生できる可能
性があるのではと私は考えています。

記事投稿 西田

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)
代表取締役 西田俊哉

高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム、この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。