人間の知性3段階説を提唱するロバート・キーガン氏の本には
腹落ちできる示唆が満載されており、様々な気付きを得られます。

組織・集団を元気にするにはどうすれば良いのか?

組織経営者にとって共通するテーマですが、複雑な人間社会の「個の我欲」や「人生価値観」
そして伝統や文化・風土の名の下に、組織・集団特有の「常識感」と「独特なスタイル」が
多次元的に輻輳する『人間組織社会』を上手く纏めてゆくのは至難の業です。

雑駁な言い方ではありますが、私たちの常識として、「企業の発展を導くのが経営」
経営とは「顧客を創造」し「企業の経済利益」を創出してゆく事!そして
その価値を生み出してゆく社員等働く人々は、組織に庇護される見返りとして「滅私奉公」し
仕事最優先人生を送るのが美徳!的な思いがあるのではないでしようか
(まぁ、現実は生きるために仕方なく…という思いもあるのが実態とは言え….)

そして、稼得した「経済利益」は、株主のもの⁉︎ という株主資本主義の意識から
ステークホルダー資本主義的な意識に変容している過渡期と感じるものの、まだまだ
経済利益(お金)が最重要テーマである事は変わりません。

もちろん、経済(お金)は大切な要素である事は論を待ちません。
経済発展は社会を変え人類を豊かにしてきました。

でも、「経済発展」とともに「人間発展」、つまり、人類視点で個の『人生幸福』
(幸福とは一律のものではなく様々ですが…)を叶えてゆく発展、が取り残されてしまうと
何のための「経済発展」なのか!になりかねません。

テクノロジーの進化で社会は便利で豊かになりました。
企業組織では、合理化の名の下に「経済利益」を増やす事に専心し、AI等を活用した効率追求は
人間の働く機会を奪ってゆきます。

人間ならではの「創造力」「想像力」「思考力」「発想力」そして「愛力」や「心力」を
創発させてゆく経営力と、一方で働く人側の意識変革も必要とされています。

ここが超難題なのです!

ロバート・キーガン曰く、人間の知性には、

・環境順応知性
・自己主導型知性
そして、
・自己変容型知性

があるとしています。
私は、組織で働く人たちが、環境適応知性を持ちながら、自己主導型知性に磨きをかけて
「自己変容型知性」を習得できるようになれば「人と組織」は変わり始めるはずと思います。

もちろん簡単にはいきませんが、私は「経営」とは、社員の「自己変容知性」要は
自立心をいかに高めてゆくための、人生ワクワク創造と「幸福場つくり」では!と思う朝です。

記事投稿 岡田

「総務革命エバンジェリスト」
元スクウェアエニックス米国法人社長、株式会社HLD Labを立ち上げ
幸福価値創造コンサルタントとして活動中。併せて、一般社団法人日本ライフシフトト協会理事で活動中