工場のヒューマンエラー(ポカミス)対策がうまくいかない理由は
一体 なんでしょうか?
同じような不良が再発する、一つ一つ原因を潰しても 次から次と類似の不良が発生する!

ミスを犯さないためには「ポカヨケ」「作業手順の教育」「検査工程を追加する」
などの対策は、色々な解説書でも書かれている内容です。

でも待ってください。
そんな事は判っていても、「人の入れ替えが激しい」「人が不足している」
「多品種少量生産で対策が追いつかない」などが現実の姿であります。

現場の実態を理解した上で、どうするのか?ここが重要なポイントです。

★ そこで、ヒューマンエラー対策がうまくいかない理由を3つに分けます。

① 三現主義の放棄

 現場は現場を熟知したプロの知見によって解明されるのであって
素人が現場に行っても得られる情報はごくわずかでしかありません。
「これはおかしい?」と直感する感性、洞察力なくして、原因究明はできません。
関連会社などへ管理の丸投げは、現場の責任放棄です。

② 問題の放置

 日常業務のムリ・ムラ・ムダを現場ですぐに解決していくこと
 すぐに解決できない難しい問題も、解決ルートに乗せて処理します。
 すべての問題は放置されることなく、管理状態に置くことです。
 解決のフォロー、支援は管理層の職務です。

しかし、製造工程の状態、作業者の作業中の動作などで何が
ムリ・ムラ・ムダなのかが判断できなければ、そのまま問題が放置されてしまいます。
職場の環境(温度・湿度・騒音・照明)、人間工学的に見て作業中の動作に
ムリが生じていないか?作業中断が多く発生する、機械の故障が多い
修正や手直しが多い、情報の伝達が不十分でムダな作業が生じるなど、
現場の管理監督層は、現場の状況を常に確認して
このような状況を改善していかなければならないのです。

③ 正しい対策方法を知らない

解析手法は無理解のまま間違った内容で運用されている場合
問題は解決しません。
一般に実施されている「なぜなぜ分析」はすぐやめるべきです。
三現主義に基づき問題の状況を正しく把握し、しくみの改善を伴う再発防止策を講ずる
正しい対策手法を選択し、正しく使う、これが鉄則です。

これらは、品質管理の根幹を成している事項であり
正しい品質管理活動が実施されなければ、物事は解決しないということなのです。

記事投稿 濱田

合同会社高崎ものづくり技術研究所の濱田です。
日本のものづくりを支えてきたのは、人に備わった優れた熟練技と
全員一丸となって困難に立ち向かおうとする力の結集力です。
しかし、これだけでは、これからの時代に中小が生き残っていくことは困難になって来ました。
デジタル革命、市場の厳しい品質要求、顧客の多様なニーズ これらに機敏に対応していくことが求められます。