ベトナムの平均年齢が31歳程度の若い国であり、高齢化による社会問題は顕在化していないのですが、日本企業がベトナムで介護事業をしようという動きがあります。

日本が迎えている高齢社会は、東南アジアでも必ず起こってくると考える人も増えています。

 経済が発展する過程で、ハノイ、ホーチミン市を中心に大都市への人口集中が進んでいます。

それを主因として出生率の低下が顕在化しているのです。

その現象からいわゆる核家族化が生まれ、若い夫婦が共稼ぎで家計を支えるため、以前ほどたくさんの子供を育てることができなくなっています。

また、晩婚化、未婚化も要因として考えられます。

ベトナムの人口ピラミットを見ても、20代未満の人口の減少が鮮明に表れているのです。

日本の介護事業者の見通しの通り、将来少子高齢社会になることは避けられないと思われます。

ところで、何気なく使っている高齢化社会、高齢社会という言葉ですが
WHO(世界保健機関)で定義が決まっています。前年度大阪府から依頼を受けてベトナムの介護事業についてレポートを書いた時に、高齢化社会と高齢社会の定義に気が付きました。

ベトナムはすでに高齢化社会になったと書いてあったのですが、平均年齢が31歳の国が高齢化社会という言葉には違和感を抱きました。

高齢化社会の定義(WHO)

調べてみると高齢社会に関する表現は、類似した表現が3種類ありました。

それぞれの言葉は、WHO(世界保健機関)の定義がありました。

高齢化社会
→65歳以上の人口が総人口の 7%を超え14%まで、日本は1970年突入
・高齢社会
→65歳以上の人口が総人口の14%を超え21%まで、日本は1994年突入
・超高齢社会
→65歳以上の人口が総人口の21%を超えている、日本は2010年突入

高齢化社会を迎えているベトナム

ベトナムでは、2017年に高齢化社会に突入したとみられるという報告が、公益財団法人 国際通貨研究所の竹山研究員の報告で述べられています。

高齢化が特に進行しているのは年平均の経済成長率が6%を超え、アセアン諸国の中でも高い成長を維持しているベトナムだということです。

ベトナム戦争後の経済復興期から多産多死型であった人口ピラミッドは、1988年から導入した「二人っ子政策」の影響を 大きく受け、 また、平均寿命も延びたことから少産少死型へと変化してきました。

日本は超高齢社会

国連の推計によると、ベトナムは2017年に高齢化社会に突入し、2034年に高齢社会、2049年には 超高齢化社会になると予測されているのです。

経済成長するメカニズムと少子化は切っても切れない関係のようです。

ちなみに日本は、65歳以上の人口が総人口の21%を超えており、この定義では「超高齢社会」に当てはまりますが、超をさらに更新しているのが日本のこれからです。

記事投稿 西田

アイクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)
代表取締役 西田俊哉

高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム、この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。