温暖化以外に新興国の実情を伝えておきましょう。
大気汚染を語るときに話題になるのがPM2.5という値です。

この単語は意味は知らなくとも使われることが多くなっているのでピンとくる人は多いと思います。
ベトナム人にもそろそろ浸透してきた言葉です。

浸透する理由は、まさに今大きな社会問題になろうとしているからです。
PM2.5とは工場の煙や排ガスなどから作られる微小粒子状物質のことを言います。
大気中に浮遊している直径2.5マイクロメートル以下の非常に小さな粒子のことです。

1マイクロメートルの大きさは1mmの1000分の一というので非常に小さいことがわかります。
PMとは、Particulate Matter(粒子状物質)の頭文字をとっています。
この発生の原因はものの燃焼によって発生したり、土壌・海洋・火山の噴煙によったり
化学反応によって発生することもあるようです。

 非常に小さいので肺の奥深くに入り込み、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器疾患の原因に
なることはもちろん、循環器系疾患のリスクも上昇させると考えられています。

最近ベトナム人はバイクに乗る時に大きな布製のマスクをはめています。
これもPM2.5を吸わないようにしようと考えているからでしょう。
日本ではPM2.5は中国の北京などの大気汚染の報道で知られるようになったと思います。

日本にいる方々は中国だけの深刻な問題だと思っているかもしれません。
しかし、今年の9月27日のニュース(日本語訳のViet-Jo Newsに出ていますが
もともとベトナムの新聞を訳したものです)には、次の見出しが出ていました。

「ハノイとホーチミンの大気汚染、世界1位と3位に」の見出しの後に
次のリードが続きます。「大気汚染の程度を示す空気質指数(AQI)は
9月26日午前8時50分時点で、ハノイがインドネシア・ジャカルタを抜いて世界1位になり
ホーチミン市も3位になった。

これによりベトナムの2大都市における大気汚染の深刻化が浮き彫りになった。」と報じています。
9月26日の一定時刻の数値なので常時ワースト1位と3位ということではないようですが
両都市とも深刻なレベルになっていることを示しています。

ベトナムに住んでいる私たちは、ハノイの大気汚染レベルは相当高いことは聞いていました。
ハノイの駐在員からは、喉の調子がおかしくなるなどの不調を伝える人もいました。
2016年ごろからハノイの大気汚染度は世界ワースト2位と言われていましたが
ますますその深刻度が増しているようです。

 ホーチミン市でも深刻なレベルになってきました。
最近ですが、私も話を続けていると声がかすれてくることがあります。
タバコをやめて長くなるので、痰は以前より少なくなったのですが
声がかすれるような状態になることは大気汚染が影響していると思われます。

NHKワールドのニュースなどを見ているとインドネシアのジャカルタ
インドのデリー、タイのバンコクも大気汚染が深刻になっていると聞きます。
アジアの主要都市も同じような問題を抱えています。

 ベトナムの大気汚染がどれほど深刻かをJICAの専門家の山崎寿之さんが答えている
記事を見つけました。
それによると「PM2.5というよりは建設現場やビルの取り壊しなどの影響で砂埃が空気を
汚す大きな原因になっている。
ただ、二酸化硫黄や二酸化窒素などの濃度は基準に収まっているので
データが不十分なため世界ワーストと言われることもあるが、それはちょっと言い過ぎだ。」
とは述べていますので、ややほっとする記事ではあります。

 経済発展に伴う人口増加、車やバイクの増加、建設現場の増加は間違いなく大気を汚染し
今後の健康被害を増やすことになるでしょう。

ベトナム人の男性は喫煙率も高く、都市部はそのような状態なので
呼吸器系の病気になる人は今後増えていくことが容易に想像できます。
多くの人が布製のマスクをつけてはいますが、日本の花粉症シーズンに見られる
高機能なマスクではないので、気休めの対応策と言ってもいいかと思います。

記事投稿 西田

イクラフトJPN・ベトナム株式会社(英語表記:iCRAFT JPN VIETNAM Corp.)代表取締役 西田俊哉
高い技術力を持ち、安定・成熟した日本と発展途上であっても、若々しくエネルギーに満ち溢れたベトナム
この両国のそれぞれの力をコラボレーションすることが、両国の発展にとって意味のあるものになっていくものを考えております。
ベトナムの今を、現地の生の声としてお伝えしていきます。